トーナメントのルールを確認しましょう
いらぬ誤解が無いようにあらかじめ書いておきますが、前半部分はこの記事で書きたい本題ではありません。
とあるトーナメントでの出来事です。
プリフロップのアクションは覚えていません。リンプイン、レイズ、SBフォルド、BBフォルド、コールだったような気がします。
ヘッズアップになってフロップのカード3枚(A??)が開かれて、先にアクションするプレイヤーがベットしました。もう一人のプレイヤーがフォルドした後に、ベットしたプレイヤーが自分のカード2枚のうち1枚のAを表にして見せて、1枚のAともう一枚の裏返したカードをそのプレイヤーとディーラーの中間地点に投げてマックしたところ、テーブルの側にいたフロアーがディーラーに指示してもう1枚のカードを開かせました。ベットしたプレイヤーがその時何を言ったかは覚えていませんが、フロアーは「show one, show all」という言葉だけを残して去っていきました。
その時思ったこと。
・このトーナメントは日本で開催されたイベントで、テーブル内のプレイヤー、ディーラー、フロアーは僕が知ってる人や見覚えがある人もいれば、全然知らない人もいましたが多分全て日本人です。海外でポーカーを遊んだことがある人は「show one, show all」という言葉(ルール)を耳にしたことがあるかもしれませんが、海外で遊んだことも無く英語もサッパリという人には不親切であり不十分です。でも、誰もそれについて異を唱えなかったので、状況を見て全員が「show one, show all」の意味を正しく汲み取ったのかもしれません。
・「show one, show all」というルールは「テーブル内の誰かに自分のカードを見せた時は、テーブルにいる全員にそのカードを見せなければならない」という意味でよく使われます。微妙ですが2通りのルールがあるようで、「必ず全員にカードを見せなければならない」ということもあれば「他のプレイヤーからの要望があった時のみ見せなければならない」ということもあります。どちらにしろ、今回の「show one, show all」はそういう意味ではなく、「show one card, show all card(s)」という意味を持っているようです。
・ショーダウンした時は2枚のカードを見せないといけないというルールは一般的ですが、今回のようにショーダウンしないで勝った時ににカードを1枚見せたらもう1枚も見せなければならない、というルールは聞いたことがありませんでした。
この時1枚のカードを見せたプレイヤーは、よく遊んだことがある人だったのですが、少し不満そうな顔をしていたので、ちょっと余計な悪知恵を教えちゃいました。
「見せたくないカードを先にマックして、それから見せたいカードを表にすればいいよ」
この時注意しないといけないのは、見せたくないカードは他のマックされたカードが集まった山に向かって投げ入れなければいけないことです。それに失敗したら、もう1枚もマックした方がいいでしょう。
その後いろいろ考えたのですが、これが一番難易度が低くて確実な方法です。他にも、
難易度2:見せたいカードだけを全員に見せた後カードを伏せて(もしくは表にしたまま)、見せたくないカードと供に他のマックされたカードの山に向かって投げ入れる。これは、うまく投げるのに失敗して、今回のように他のマックされたカードの山以外の場所に投げてしまった場合に、2枚ともオープンされてしまう可能性があります。
難易度3:見せたいカードだけを見せたい相手のほうに向けてチラっと見せて、カードをマックする。その時相手がこちらを見ていない可能性があります。また、上と同様に確実にカードの山にマックしなければいけません。全員に見せていないという点で、上の2つに比べて悪意が感じられます。
このようなことをやると「マナーが悪い」とか言われてペナルティーを受ける可能性があるので、この記事を読んでやってみようと思った人は 注意 覚悟してくださいw
ただし、練習を重ねれば言い逃れできるようになるかもしれません。
難易度10:見せたいカードを下に、見せたくないカードが上になるようにぴったり重ねて、見せたい相手に向かって40~50度くらいの角度でなるべく回転しないように投げてマックする。相手が見ていない可能性もあるし、投げる角度が悪かったり、空調の空気の流れの影響を受けて、カードが2枚とも表になってしまう可能性があります。が、後から何か言われても「故意に見せるつもりは無かった」と言い張ることができるかもしれません。
念のため書いて置きますが、こういうことをやって失敗したりペナルティーを受けても、僕の記事のせいにもしないでください。責任は一切持ちません。
何も見せないでマックしちゃうのが一番いいと思います。もしくは、どうせ見せるなら外野にとやかく言われる前に、正々堂々と2枚見せた方がいいでしょう。
---
まだ本題には入りません。もう少し続きます。
先日、数人の知人にこの出来事を話したところ、今年のWSOPに以下のようなルールがあることを教えてもらいました。
84. At the end of a hand, if a player exposes one hole card, he or she must also show the other hole card if asked to do so by any player.
"At the end of a hand,"というのは、ショーダウンの時に限らず、今回のように相手全員がフォールドして一人の勝者が決まったケースも含みます。そのような場合、
"if a player exposes one hole card, he or she must also show the other hole card"
もし1枚カードを見せたら、他のカードも見せなければならないようです。ただし、
"if asked to do so by any player."
もし他のプレイヤーにそうすることを要求された場合です。"any palyer"というのは、そのポットに参加したプレイヤーに限らず、参加していなかったプレイヤーも含まれます。
今回のように他のプレイヤーが何も言っていない場合は見せる必要はありません。
そして、"any palyer"とハッキリ書いているように、ディーラーにもフロアーにも、カードを開くように要求する権利はありません。
それは兎も角、ショーダウンが無かった時にも、カードを2枚とも見せないといけないことがある、というルールがあることを知らないでいた人も多いのではないかと思います。知っていれば、他のプレイヤーが同じような状況で1枚だけカードをオープンした時に、正々堂々ともう1枚をオープンするように要求することができます。
--
さて、やっと本題です。
10年くらい前は、WSOPのようなトーナメントでもルールはレターサイズの紙1枚程度で、内容も10~20項目くらいでした。2000年のTOC(Tournament of Champions of Pokerのこと。WSOPのTOCではない)では、参加者全員にルールブックの小冊子が配られましたが50項目も無かったのではないかと思います。
それが今では12ページ、93項目もあります。ルールが明文化されて、増えることはいいことですよ。それだけ曖昧な判断・判定が少なくなり、ゲームが円滑に進みます。
ただし、そのためにルールを読む・知る・守ることがプレイヤーに求められているということを忘れてはいけません。トーナメントに参加してから「そんなルールは知りませんでした」は通用しません。
逆に言うと、トーナメントの運営者にもルールをきちんと明文化することが求められていた、ということでしょうね。
ちなみに前半で話題にした件については、そのイベントのトーナメントルールには見つかりませんでした。
ということは、もしかしたらルール違反を犯していなかったのかもしれません。最終的には運営者の判断がルールになるとは思いますが、明文化できるものはしておいた方がプレイヤー側も気持ちよくプレイできると思います。
来月から開催されるWSOPを初めとして、これから海外のトーナメントに挑戦する人は多いと思います。ルールはしっかり読んで理解してくださいね。わからないことがあったら、詳しい人に聞くなり、運営者に確認してください。たった一つのルールを知っているかどうかで有利になることも不利になることもあります。
--
10年くらい前に僕にポーカーを教えてくれていた土井さんは、その頃からすでに「トーナメントのルールをしっかり理解することの大切さ」を教えてくれていました。今回の記事を書くキッカケを作って、「ルールの大切さ」を思い出させてくれたA君に感謝します(^^)
| 固定リンク | コメント (3) | トラックバック (2)
Mark Seif
John Phan
最近のコメント